ハエの薬用効果

ハエの薬用効果    日本唯一の薬用昆虫のサイト。
   
   第73回

ハエの幼虫であるウジには、薬効があることは、古くから知られています。
生薬名は、五穀虫(ゴコクチュウ)です。
現在は、養殖までされているくらいポピュラーです。
また、多くの本草書に、ウジ(五穀虫)はあっても、ハエはほとんどありません。
ハエの成虫の薬効についての記述は、少ないのです。
なにか、ハエの薬効について書かれたものは無いのかと、思っていました。
「本草綱目拾遺(ホゾウコウモクシュウイ)」に、こんな面白いことが、
「飯蒼蝿(ハンソウヨウ)」という名で、記載されています。


「本草綱目拾遺」(清、趙学敏)より、
謝天士は、多くの虫は薬用になるが、ただ「飯蒼蝿」だけは、役に立たない。
それで、「本草」には、収載されていないのだ、と述べている。
私は、10年間、「飯蒼蝿」について、考えていたのだが、薬効を見いだせなかった。
嘉慶(カケイ)の庚申(コウシン)の年(清の嘉慶5年:1800年)に、
たまたま東江で、柴又升先生と話をした。
先生の話。
昔、台州にいたときに面疔を患った。
始めはしびれて、猛烈に痒くなり、我慢できないほどであった。
山の中で薬もなかった。
ある人に、こんなことを教わった。
飯蝿七匹と、冰片(ヒョウヘン)1、2厘を、一緒に混ぜて潰した。
それを、患部に敷いた。
すると、黄色くならなくなった。
(化膿すると黄色くなりますが、そうならなかった、ということでしょう。)
はたして、言われた通りに、痒みが止まった。
次の日には少し良くなった。
十日程で、治ってしまった。

さて、「飯蒼蝿ファンツァンイン」が、何をさすかというと、
他の情報が無いので、正確にはわかりません。
「蒼蝿ツァンイン」は、ハエのことです。
「飯蒼蝿」を直訳すれば、メシバエです。
食べ物にたかる、普通のハエであろうということ推定されます。
まあ、そこらへんの、普通のハエの一種、あるいは、全てということでしょう。


さて、「本草綱目」には、蝿(成虫)の薬用については、ほんの少しだけ、記述されています。
「蝿」
サカサマツゲには、12月に蝿を乾燥してから粉にして、何度も臭いを嗅がせると、すぐに治る。
蝿の薬用は、昔の処方には見当たらない。

まあ、あまり科学的でない内容ですね。