ムカデドリ(蜈蚣鶏)は、インポの薬

ムカデドリ(ムカデ鶏)は、インポの薬

第186回 

民間療法のなかには、大変面白いのがあります。
今回紹介する「ムカデ鳥」も、実に面白い製法(飼育法)です。
インポに効く処方に、ムカデ鳥(仮称)というのがあります。
鶏を使った、薬膳料理みたいなものです。

このニワトリが面白い。
ニワトリにある物を食べさせてから、殺して料理するという、
手の込んだことをしています。

中国の民間では、ある種の生き物に、ある種のものを食べさせて、
それを薬として利用するという方法があります。

こう書いてくると、想像がつくでしょう。
ニワトリにムカデを食べさせるんじゃないのかと。
そう、その通りですね。



「中国民間霊験方術求真伝」より、
処方:ムカデニワトリ(ムカデ鶏)二羽(約500gのオンドリ2羽)、
玉竹30g、クコ20g、としし15g、蛇床子15g
用法:始めに1匹のニワトリを殺して、内蔵を除去する。
腹の中に、玉竹15g、クコ10g、菟絲子7.5g、蛇床子7.5gを入れ、
盤の中に置く。
2時間半蒸す。それを食べる。
7日後、もう1匹のオンドリを、同じようにする。
2匹を1治療行程とする。
適応症:陽萎、早泄
治療効果:本方で良く効いた例は多い。
陽萎、早泄、精液量が少ない、
射精不能、死精、無精症のすべてに対して、良い治療効果がある。
出典:浙江省粛山市西興医院、沈紹英先生

さて、このムカデニワトリの作り方(育て方)は、こんなふうです。
ニワトリに毎日、ムカデを4匹、大頭蜻蛉を4匹、
黄蜂または蜂のサナギを5匹、連続で1か月間食べさせる。
とまあ、なかなか豪華な餌を食べさせるわけです。
ムカデが強壮剤的に使われるのは、なんとなく納得できるでしょう。
しかし、蜻蛉は、で無さそうに、思うでしょう。
ところが、蜻蛉は、なぜかよく強壮剤として使われてきました。
「本草綱目」には、道家は房中術に用いている、とあります。
しかし、わざわざ、ニワトリに食べさせないで、
人間がムカデや蜻蛉を食べた方が、簡単で、効き目もありそうな気がします。
それとも、ムカデ、蜻蛉を食べるのがいやな人のかわりに、
ニワトリに食べさせているのかもしれませんね。
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