ゲンゴロウを食べると、色白に、美人になる?

ゲンゴロウの薬用効果
   第72回

ゲンゴロウを食べると、色白に、美人になる?

ゲンゴロウは生薬名としては竜虱(リュウシツ)といいます。
竜の虱(しらみ)というわけです。
なるほど、竜ほどの大きさにつくシラミは、
ゲンゴロウ位の大きさがあってもいいでしょうし、
ゲンゴロウには、竜に似た髭がありますね。

「竜虱(リュウシツ)」
「動物本草」には、
起原動物は、
三星竜虱(サンセイリュウシツ) Cybister tripunctatus orientalis Gschewenden(日本名:コガタノゲンゴロウ)
または、
黄辺大竜虱(オウヘンダイリュウシツ) Cybister japonicus Sharp(日本名:ゲンゴロウ=ゲンゴロウ科のゲンゴロウ)
の全虫とあります。


清代の「本草綱目拾遺」には、
「竜虱(リュウシツ)」
「ビン(門の中に虫)小記」に、云う:「竜虱」小さなゴキブリのような形をしている。また、コガネムシに似て黒色をしている。
毎年8月13日から15日に、
ショウ(サンズイ+章)州(ショウシュウ:福建省南部の都市。アモイのそば)の海口に飛んでくる。
ほかの日には、絶対に出ない。
顔面の変色した黒赤い(日焼け、潮焼けなどということでしょう)のを除くには、これを食べるとよい。
また、男女の顔色(容貌)を良くし、活血の働きもある。
「物理小識」:私は、父に従って福寧に行き、「竜虱(リュウシツ)」を見たことがある。
その後、暑い時にこれを食べたが、濠より飛んできたという。
これから見ると、ほかの場所にも出てくる。
ショウ(サンズイ+章)州だけに、いるわけではない。
これは、甲虫の一種であって、指先くらいの大きさで、甲の下には翅がある。
薫じて乾燥させ、甲と翅を取って食べる。
火魚(金魚らしい)に似て、変った味がする。
(ビンとは、福建省の古称です。
虫という字が入っています。
昔、中国の中心部から見たら、
虫けらのような野蛮人の住んでいる所と、
バカにしていたのでしょう。)

「虫類本草」より
「本草綱目拾遺」に初出
性味:甘、平。(陸川本草:リクセンホンゾウ)
功効:補腎、活血
主治:頻尿、子供の遺尿(オネショ)
用法用量 内服2.4〜4.5g。
炙って、研いで粉にする、または丸剤に入れる。
文献より
「物理小識」:これを食べれば、顔の黒いのを消す(色白になるということか?)。活血。
「薬材資料彙編」:老人の夜間頻尿に用いる。
「陸川本草」:滋養強壮、小児の遺尿に用いる。

「虫類中薬与効方」より
採集炮製:春秋に採集し、お湯に入れて殺す。
そのまま乾燥、または加熱して乾燥させる。
または、新鮮なのを用いる。
性味帰経:性は平(ヘイ)、味は甘(カン:あまい)、咸(カン:しおからい)。
脾、腎に帰経(キケイ)する。

効果のある処方
1、鮮竜虱方(センリュウシツホウ)
組成剤型:新鮮なゲンゴロウ5匹。
      鉄のクシにさして、焼きながら醤油をかける。
功能主治:健脾消食。小児の疳の虫に用いる。
用法用量:食用にする。1日2回。1回に5匹。
出典:「中国動物薬志」
2、塩竜虱方(エンリュウシツホウ:塩漬けゲンゴロウ)
組成剤型:ゲンゴロウ適量を塩漬けにした後、蒸して加熱する。
功能主治:補腎縮尿。老人の頻尿に用いる。
用法用量:食用にする。1回に8〜10匹。1日に2回。
出典:「中国動物薬志」


さて、日本での薬用は、
「薬用昆虫の文化誌」渡辺武雄先生著には、こうあります。
小児の疳の薬。
ジフテリアや百日咳:焼くか、生のままつぶした液。
喘息:煮たもの。
肺病:幼虫をそのまま飲む。
傷と腫れ物の吸い出し:粉にして飯粒と練り合わせる。


上記の処方などの用法、その他には、食べるとあります。
食と薬が一緒。医食同源ですね。

ゲンゴロウというのは、どうある人達にとっては、おいしいもののようです。
昆虫を食べると行ったタイトルの本には、
中国南部の広東あたりから、東南アジアにかけて、
ゲンゴロウが食べられていることが、述べられています。
しかも、若い女性まで。

また、長い食用の歴史のうちに、薬効が発見されたのでしょうね。

さて、「本草綱目拾遺」の記述を、少し読み替えると、
ゲンゴロウを食べると美人になる、色白になる、
とも解釈できるでしょう。
これが、若い女性の食べる理由の一つかもしれません。
単に味覚の点からだけではなくて。