「海のゴキブリ」「フナムシ」の、薬用効果

フナムシの薬用効果
第68号

「海のゴキブリ」「フナムシ」の、薬用効果

「フナムシ」のことを、中国語では、「海ショウロウ」(虫+章、虫+郎)といいます。
ショウ(虫+章)ロウ(虫+郎)は、ゴキブリのことですから、フナ虫は、「海ゴキブリ」ということになります。
また、英語では、Wharf  roach(ワーフローチ:埠頭、波止場のゴキブリ)ですから、
やはり、ゴキブリあつかいです。
とは言うものの、
フナムシは、ゴキブリによく似てはいますが、
昆虫ではなく、
ワラジムシに近い節足動物です。
ワラジムシは、2000年程前の、「金匱要略(キンキヨウリャク)」にも、記載されています。
また、このブログの2006.6.20の、のカマドウマの項でも、
ワラジムシにについて、少し触れています。
その仲間の、フナムシにも、薬効があっても不思議ではないでしょう。
この「フナムシ」は、日本のそれと同種です。

今回は、「海のゴキブリ」である、「フナムシ」について、
「動物本草」より、
「海ショウロウ(虫+章、虫+郎)」 Ligia  exotica  Roux  の成虫を薬用とする。
採集炮製:6〜9月、海辺の岩石の間から探す。
     新鮮なまま、または、お湯をかけて殺し、そのまま乾燥させる。または、加熱して乾燥させる。
功能主治:消積、活絡、消腫止痛。小児の疳の虫、跌打損傷(テツダソンショウ:打撲)、癰疽(ヨウソ:化膿性のデキモノ)および、鉄釘の刺し傷などを治す。
用法と用量:内服。水で煎じて服用する。外用。研いで粉にし、適量を患部に塗布する。

また、フナムシは、最近民間より発掘された海洋新薬であって、歴代の本草書には記載されていない。
フナムシの薬用については、「動物本草」が、初めて収録したとのことです。

「虫類中薬与効方」( 張金鼎先生、鄒治文先生 主編。中医古籍出版社。2002年)より、
性味帰経:性は温、味は咸(カン、しおからい)。肝、脾に帰経する。

処方
1.海ショウロウ(虫+章、虫+郎)膏(フナムシ軟膏)
 組成剤型:フナムシ(新鮮なのを)適量。搗き潰して、軟膏状にする。
功能主治:解毒、活血、消腫。跌打損傷、癰瘡腫毒(ヨウソウシュドク:化膿性の腫れ物)に用いる。
用法用量:適量を患部に塗る。1日1回。
出典:浙江動物誌
2.海ショウロウ(虫+章、虫+郎)散(フナムシパウダー)
組成剤型:フナムシを、炒めてから乾燥させたものを、潰して研いで粉にする。
功能主治:消積、化疳。小児の疳(カン)の虫に用いる。
用法用量:内服する。2〜4歳、1回に1.5g〜3g。  
5〜6歳、1回に3.5g〜5g。
7〜9歳、1回に、5,5g〜7g。
1日に2〜3回服用する。1〜2週間、連続で服用する。

「動物本草」には、本書が、フナムシを始めて収載したとありますが、「浙江動物誌」のほうが、先のような感じがします。