カミキリムシの薬効  その2

カミキリムシの薬効  その2
第66回


「本草綱目」で、李時珍は、こう述べています。
この虫には、八の字のような黒い(触)角がある。
水牛の角(ツノ)に似ているので、名付けられた。

「本草綱目」には、蘇東坡の詩が引用されています、
水天牛詩
「両角徒自長、
空飛不服箱。
為牛竟何益、
利吻穴枯桑。」
  意訳
「二つの触覚は、無意味に長い。
空を飛び、狭い部屋には、収まっていない。
   牛とは名ばかりで、牛のように人に利益を、もたらさない。
   鋭い口で、桑の木に穴を開けて、枯らしてしまう。」
注:これを見ると、蘇東坡は、
カミキリムシが桑をかじって穴を開けることを、観察していたことになります。
蘇東坡は、宋時代の有名な詩人です。
中華料理の東坡肉(とんぼーろー)は、蘇東坡が、好んで食べたことから、つけられた名前です。

李時珍は、こうも述べています。
天牛は、各地に産する。
大きさは、蝉位で、甲は黒く漆のように光沢が有る。
甲には黄白色の点があり、甲の下にはハネがあり、良く飛ぶ。
目の上には、二つの黒い触角があり、はなはだ長い。
前を向いており、水牛の角のようで、よく動く。
口は黒く平らで、ハサミのようで、はなはだ鋭い。
また、ムカデの口にも似ている。
気味:有毒
主治:瘧疾感熱、小児急驚風、および疔腫*鏃入肉、去痣*。

本題とは、関係ありませんが、星天牛 Anoplophora chinensisが、イタリアでは、外来害虫として、猛威を振るっているそうです。
日本や韓国から、入ってきたとありますが、本とかな?日本に、Anoplophora chinensisが、いるのかな?
詳細は、以下参照。写真もあります。
http://www.eppo.org/QUARANTINE/anoplophora_chinensis/chinensis_in_it.htm

「動物本草」には、

古今の効果のある処方。
骨髄炎、骨結核で骨質壊死のある場合
カミキリムシ3匹、乳香5g、没薬5g、生ダイオウ20g、冰片0.5g
研いで粉にする。
患部につける、または軟膏にして塗布する。
出典:河南省洛陽市寿春街小学

小児の驚風(ケイレン、ヒキツケ)
カミキリムシ3匹を、水で煎じて服用する。
1日に1回。
出典:「中国動物薬」吉林人民出版社。1981年

崩漏(ホウロウ:生理の出血が崩れるように大量で止まらないこと)を、治す。
カミキリムシを加熱して焦がし、研いで粉にする。
暖めた酒で服用する。1日に1回。1回に2g。
出典:「中国動物薬」吉林人民出版社。1981年

とはいうのもの、
「近年では、カミキリムシに対しての研究が少ない。
臨床では、弁証論治の原則に基づいて、
応用しなければならない。」とあるので、
現在ではあまり使われていないようです。