ゴキブリ  その5。二千年の歴史ある、ゴキブリの薬用。

ゴキブリ  その5
「大黄シャ虫丸」の1
  第60号。 日本唯一の薬用昆虫・虫類のサイト。

ゴキブリが薬になるらしい、ということは、
今日初めて、このブログを読む方でも、
なんとなく聞いたり、見ていたりしているでしょう。

「しゃ虫」という名で、サツマゴキブリの仲間が古くから薬として用いられて来ています。

「シャ虫=サツマゴキブリの仲間」を含む処方は、
昔から今に至るまで、枚挙にいとまないほど、数多くあります。
最も古い、処方を紹介しましょう。
「シャ虫」を、主とした方剤で、
最も古く、最も有名で、スタンダードなのは、
「大黄シャ虫丸」です。

この処方は、
漢方の古典である「金匱要略」(後漢。張仲景)にあり。
「シャ虫」を主剤とした、
駆オ血剤(クオケツザイ)(オは、ヤマイダレ+於)です。

虻虫(ボウチュウ:アブ)、
水蛭(スイテツ:ヒル)、
セイソウ(セイは、虫+斉。ソウは、虫+曹)(セイソウ:フンコロガシ、コガネムシなどの幼虫)、
シャ虫(シャは、庶+虫:虫は下)(シャチュウ:サツマゴキブリの仲間)の、
4種類の虫類薬が用いられています。
  なかなか、すごい内容でしょう。

奇妙な内容ですが、立派な、現役です。
「大黄シャ虫丸」は。
2000年程昔から、スタンダードな方剤として用いられてきました。
現代の中国でも、多くの製薬会社から、製剤として発売されています。


「大黄シャ虫丸」は、優れた薬ですが、
日本では薬として認められていません。
許可されていれば、是非使ってみたい処方です。薬剤師としては。
効くでしょうね。
もちろん、内容は、教えずに(^_^)v。


「金匱要略」には、こう記されています。
五労虚極。羸痩腹満。不能飮食。食傷。憂傷。飮傷。
房室傷。飢傷。労傷。経絡栄衞気傷。
内有乾血。肌膚甲錯。両目黯黒。
緩中補虚。大黄シャ蟲丸主之。

「大黄しゃ蟲丸」方.
大黄(ダイオウ)十分蒸、黄ゴン(ゴンは、クサカンムリの下に今)(オウゴン)二両、甘草(カンゾウ)三両、桃仁(トウニン)一升。
杏仁(キョウニン)一升、芍薬(シャクヤク)四両、乾地黄(カンジオウ)十両、乾漆(カンシツ)一両、
虻蟲一升、水蛭百枚、セイソウ一升、シャ蟲半升、
右十二味。末之。煉蜜和丸小豆大。酒飮服五丸。日三服。


写真は、「しゃ虫」。
問屋から仕入れたものです。
売られているということは、
日本でも使われているということでしょう。
うちは、使っていませんよ。念のため。